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助産師の羽生悦子です。
皆さま、ご支援いただき本当にありがとうございます。
保健指導の勉強会の報告をさせてください!
5月23日
レーンのヘルスセンター、コンポンハウ、スヴァイロンピア、チロノークの3か所で妊婦さんに対する保健指導の勉強会を実施しました。
【講習の内容】
1)自己健康管理の重要性
2)妊娠中の栄養
3)妊婦健診の意味
4)妊婦健診の内容
5)生活の注意点
6)異常な症状
7)異常時はできるだけ早くヘルスセンターへ搬送
コンポンレーンは病院へ行くまでにバイクやトゥクトゥク、ボートを乗り継ぐ必要があり、とても時間がかかります。妊婦さんと赤ちゃんの命を守るため、安全なお産をするために体調管理と異常時の早期対処が重要なことから企画した勉強会でした。
コンポンチュナンのフェリー乗り場から車でフェリーに乗ります
協力隊隊員として活動した2年間、私のパートナーとして協力してくれた州病院の助産師モイさんと事前に資料の確認と打ち合わせをし、現地ではモイさんが講師となり勉強会を実施しました。対象はヘルスセンターの助産師さん7名としましたが、お声がけしていない看護師さんやセンター長まで集まって、大きく頷きながら真剣な表情で聞いてくださいました。安全にお産をして、お母さんと赤ちゃんに健康で生活してほしいという思いは国や環境が違っても皆同じなんだと強く感じました。
コンポンハウヘルスセンターにて
ヘルスセンタースタッフから各村の住民の健康管理を手助けするヘルスボランティアさんにも後日勉強会を実施して妊婦さんへの保健指導を強化していくこととなりましたが、全てのヘルスセンターと一部の村にも写真のような指導媒体が欲しいと要望があり、要望に沿った資料を追加で作成させていただくこととなりました。嬉しいことに活動に同行いただいた保健局の助産師さんからは他地区のヘルスセンターの保健指導にも取り入れたいので保健局にも媒体が欲しいとの要望をいただきました。
5月24日
皆様のご支援で購入することができた分娩台の搬入があり、再度スヴァイロンピアヘルスセンターを訪問しました。ヘルスセンタースタッフから、ちょうど妊婦検診で来ている妊婦さんに前日勉強した保健指導を実施したいと依頼があり、急遽実施することとなりました。
モイさんとヘルスセンタースタッフとでコミュニケーションを取りながら指導を行い、モイさんは最後に指導方法のレクチャーまでしていました。皆の真剣な表情と活発なやり取りを傍でずっと見ていましたが、私が口をはさむ必要は全くなくカンボジアの助産師さんと看護師さんで保健指導を実施しました。妊婦さんからはとても分かりやすかったとの言葉がありました。
カンボジアの助産師さんが自分達で学んだり、考えるためのほんの少しのお手伝いがしたいと思っていた私にとってこの上なく嬉しい瞬間で、2年間モイさんと協力関係を築いてともに活動してきた集大成だとひとり感激していました。
スヴァイロンピアヘルスセンターにて妊婦さんへの保健指導を実施中
受診に来ていた妊婦さんにも聞いてもらいました
チロノークヘルスセンターにて
5月25日
2月の現地視察の際、あまりに遠くて訪問がかなわなかったプロライミヤヘルスセンターを訪問することができました。前日までのヘルスセンターよりも船の移動時間が長く往復4時間以上の旅路でした。船旅の様子は別の機会に詳しくご報告いたしますが、川の水面に大量繁殖したホテイアオイが船やボートのスクリューに絡み事故が絶えないとモイさんから聞きました。
移動にこんなにも危険が伴うことを体験し、妊婦さんのみならず全ての住民が健康に過ごす重要性とそのための保健指導の必要性を実感しました。
川一面を覆うホテイアオイをかきわけて船は進みます
センターに到着し、試作した指導媒体を使ってセンターに1人しかいない助産師さんと勉強会を実施しました。プロライミヤヘルスセンターの妊婦健診では異常が見つかった妊婦さんに対しその時点で州病院受診を勧めているそうです。長時間の移動が必要な上、夜間や風雨の強い時は移動ができなくなるからこそのリスク管理です。
私たちも危険を避けるため午後の早い時間にはコンポンチュナンへ帰らなければなりませんでした。地理的な不自由を背負って暮らす妊婦さん、赤ちゃん、住民の皆さんの健康と安全を願いながら船に揺られて帰ってきました。
要望をいただき指導媒体を試作しました
プロライミヤヘルスセンターにて
日本から多くの皆様の支援を受け活動させていただいていますが、カンボジアでも多くの方に協力いただいています。現地のヘルスセンターをはじめ、保健局、州病院、ホームステイ先の大家ご家族、分娩台搬入の業者さん、医療者ではないカンボジアの友人、そしてパートナー助産師のモイさんです。
モイさんは私の隊員任期中から今回の活動への私の思い、活動の意図を理解し協力を快諾してくれていました。3日間の活動中は病院の夜勤勤務をこなしながら、勉強会の講師、活動のスケジューリング、ヘルスセンターとの調整役など率先して何役も担当してくれました。
活動に自分も参加したい、楽しいと常に明るく私を引っ張ってくれたことをとても感謝しています。カンボジアの皆さんと同じ目的に向かって協力し合い活動した幸せな3日間でした。
カンボジア僻地の6万人の命を救いたい!安全で安心できる出産を!(葉田甲太 2024/04/19 公開) - クラウドファンディング READYFOR
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