TED Talks

行動すれば救える命について

ラオス医療支援プロジェクト

ABOUTラオスでの医療プロジェクト

ラオスはASEAN加盟国唯一の内陸国であり、国土の約7割が高原や山岳地帯となっています。そのため山岳部ではインフラも整っておらず医療サービスへのアクセスも困難な状況です。また平均寿命が67歳と短く*、特に妊産婦死亡率と乳幼児死亡率は東南アジア地域の中でも高いことが知られています。

*出典:Life expectancy at birth, total (years), THE WORLD BANK, 2018.

#

STORY10年のつながり

理事の中西貴大が2010年に三重県で学生国際協力団体Hearts Treeを設立し、その仲間たちと2011年にパークグム郡にあるナファイ2ヘルスセンターに診療所の増築を行いました。それ以降も定期的な訪問や、上位医療機関にあたるパークグム郡病院での医療ミッションに参加するなど同地域の継続支援を行ってきました。

#

ISSUEラオス医療の課題

ラオスでは妊婦の約半数は一度も妊婦検診を受けておらず*、6割が熟練分娩介助者を伴わない自宅分娩を行っています。また多民族国家であり山岳部で独自文化を持っている民族もあります。そのためお母さん、赤ちゃんを救うために、医療者への技術指導に加えて、医療知識の普及活動も必要です。


*出典: Pregnant women receiving prenatal care (%), THE WORLD BANK, 2012.

SOLUTIONS赤ちゃんを助けるための活動

2019年3月、当時JICAの海外協力隊員(JOCV)として赴任していた助産師の大竹恵実(現あおぞらアドバイザリースタッフ)と出会い、JICAラオスの協力のもと2019年6月にパークグム郡病院にて新生児蘇生法講習を行いました。

#
#
#

パークグム郡病院での講習会のあと、参加していたラオス赴任中のJOCVとカウンターパート(ラオスの医療スタッフ)から、現地での新生児蘇生法講習の要請があり2019年10月にはケンタオ郡病院で新生児蘇生法講習、12月にはカムアン県病院で新生児急変対応トレーニングが行われました。

現在、あおぞらでは「ラオス保健科学大学における新生児蘇生法インストラクター育成プロジェクト」を進めています。ラオス国内の医師の育成機関であるラオス保健科学大学で、教員向けの新生児蘇生講習会を定期的に開催し、基本的な新生児技術蘇生法の定着とともに、ラオス保健科学大学に所属する医師の中からインストラクター養成者の選定を行い、インストラクターのための模擬講習会を実施するものです。現地の医師が自らの手で新生児蘇生法講習会を開催できるインストラクターになり得る人材育成することで、卒業後にラオス全国の医療現場にでた医療職者の手で新生児仮死の状態にある新生児を適切な状況で新生児蘇生法を実施できるシステム構築を目指しています。
本プロジェクトは、「2021年度世界の人びとのためのJICA基金活用事業」に採択されております。

▲2022年6月18日第一回目新生児蘇生法講習会(ラオス保健大学)の様子

MOVIE動画



ARTICLE記事

VOICEラオスからの言葉

現地スタッフは個々で教育レベル違い、研修の機会も少ないため、生まれた赤ちゃんの具合が悪い時の対応に迷いがありました。しかし、あおぞらの講習会後は「私にもできる」「自分がやらないと」という自信や責任感の変化があり、より前向きに取組む姿が見て取れます。また講習会に参加した他のJOCVも、ポイントを押さえた指導方法や、現地スタッフの心に寄り添った指導を学び、個々の活動地へ持ち帰り、普及に邁進するとともに各活動地での講習会開催を希望しています。

ラオス人講習会受講者の声

嬉しく思います。ラオスの医療は、十分ではなく、蘇生をする人も十分ではないので、ラオスの新生児死亡も多いので今回の訓練に来れて嬉しく思います。講義のあと、多くのことを学ぶことができ、自信がついたように思います。そして、講義をしてくれて嬉しく思い、今後もまた続けたいと思います。

あなた方が新生児蘇生について、知識を与えてくれたことを嬉しく思います。そして、次の機会があれば、パークグム郡病院とヘルスセンターへ定期的に来てほしいです。

新生児蘇生についてとてもよく知ることができました。特にデモンストレーションは役に立ちそう。デモンストレーションをたくさんすることでよく学ぶことができました。この講習会は理解は深まりました。

ラオス人講習会受講者の声

講習のレクチャーの理解について
# #
知識は十分だと思いますか?
# #
講習会を他のスタッフに
勧めたいですか?
# #

CRITICAL CARE救命救急対応シミュレーション遠隔講習会

世界が新型コロナウイルスの影響を受けた2020年、現地での講習会等を計画しておりましたが、我々の現地渡航の計画も白紙となりました。しかし、その中でも出来ることはないかと考え続け、オンラインでの救命救急対応シミュレーションの遠隔講習会を企画し、2020年秋に、日本国内で撮影した動画を、ラオス語に翻訳しオンラインでも使用可能な教育教材作成を行いました。

そして、その作成した教材を使用し、現地で活動されるJOCVの吉田裕美子さんと協働し、2021年1月ラオスのチャンパサック県病院にて救命救急対応シミュレーションの遠隔講習会を実施しました。

この講習会では、現地ラオス人看護師8名が参加し、日本とラオスをオンラインで繋ぎながら、救命救急(人工呼吸や心臓マッサージ)に関するシミュレーションの学習をしました。コロナ禍で現地に行くことのできない状況で、このようなオンラインでの遠隔教育に可能性を感じることもできました。

このような遠隔支援の実現でき、日本からのオンラインでの支援の可能性を感じつつも、課題も多くあるのも現状です。今後も現地の方々の声を聴きながらニーズを合わせながら、形が変わっても、あおぞららしく、相手の顔が見える支援が引き続きできればと考えております。

ACTIVITIESこれからの活動

ラオス国内でのシミュレーション基盤型トレーニングを軸とした医療スタッフ支援を継続していくことを目標としています。


ラオスの文化を大切にしつつ、安全な妊娠・出産、健康を守るための正しい知識の普及、そしてラオスの人が自身で健康を守っていけるような関わりができればと思っています。

#

あなたの寄付が
お母さんと赤ちゃんの涙を止める

あおぞらでは、毎月定額を寄付いただくマンスリーサポーターを募集しています。
生まれてくる赤ちゃんを救い、命がけの出産からお母さんを守るために。
ため池などの水で生活する世帯へ、綺麗な水を届けるために。
いただいたご寄付は、各地の医療・衛生支援や運用費など
「救える命を救う」ために活用させていただきます。