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行動すれば救える命について

お知らせ

お知らせ 2022.12.31

【年末のご挨拶】

※マンスリーサポーター(継続寄付者)限定メールマガジン〝あおぞらのむこうがわ〟より一部抜粋
平素より誠にお世話になっております。年末のお忙しい時期ですか、皆様いかがお過ごしでしょうか。
認定NPO法人あおぞら理事長の葉田です。
皆様には、各SNSやメルマガを通してお伝えしておりますが、2022年3月、2年半ぶりにカンボジアに渡航しました。
11月には、カンボジアの州立病院にて新生児科医の嶋岡先生と青年海外協力隊の助産師さんと連携して、現地の医師、助産師に講習を行いました。
現地のカンボジア州立病院に到着すると、小児科医の先生方が、講習会の前に病院内を案内してくれました。
産婦人科と小児科病棟が物理的に離れている事に驚きつつ、嶋岡先生は相変わらずで、小児科の先生と医学的な議論をかわしながら、速足で僕をおいて歩いていました。
そんな時に、ふと病棟で酸素につながれている赤ちゃんが目に入りました。
生まれたばかりの赤ちゃんが酸素をしているという事は重症なのかなと思い、見てみると、全然呼吸していない様に見えました。
周囲の看護師さんや、患者さんに聞いてみると、
「その赤ちゃんは寝ているだけだよ。その子の親は買い物に出かけてしまったよ。」
という事だったので、一瞬専門ではない僕の勘違いかと思いながら、また赤ちゃんを見ました。

寝ているにしても、どうみても胸が動いていない、手と足がグダっとしている、たまにする呼吸はすごく苦しそう、だんだんと皮膚の色が悪くなってきた様にも見えました。

とりあえず急いでマスクで換気して、人工呼吸器に繋げないとと思い、嶋岡先生を呼んで、一緒に現場の先生方と救急処置をしました。
赤ちゃんはみるみるうちに皮膚の色がよくなり、一時的に状態が改善しました。
そもそも州立病院には人工呼吸器がなく、自発的な呼吸が乏しかったため、より大きい病院に搬送を提案しましたが、お金の問題もあり、難しいとの事で、部外者である自分にそれ以上の関与は難しかった。
その後、講習会が行われ、それ自体は、現地の方々、青年海外協力の助産師やデバイスの使用感も含め、満足のいくものだった様にも思います。
しかしながら、講習が終わって、また病棟の様子をみにいくと、応急処置をした赤ちゃんは亡くなっていました。

色々な事を考えながら、生後24時間を生きられず、出産当日に亡くなってしまった赤ちゃんの事や、お母さんの事を思いました。
新生児蘇生だけで全てが改善する訳ではありませんが、今自分ができる事をしたいと、今後のカンボジア、ラオス、JICA、民間や、大学病院と連携しながら、赤ちゃんの命を救うお手伝いをしたいと、より思う様になりました。

平等というには、現実には限りなく不可能に近い様に思います。だけど、少しでも医療の偏在が公正になればいいなと思います。
生きたくても、生きられなかった命を救う手立てがあるなら、やはり何かできる事がしたいなと思います。
そして、皆様のお力を借りながら今年、認定NPO法人あおぞらは5周年を迎える事が出来ました。
色々な方々の協力があってこその5年間でした。
来年は飛躍の一年にできればいいと思います。
今年も大変お世話になりました。
寒い日々が続きますが、皆様もどうぞご自愛ください。
そして、良い年末をお過ごしください。
本年も誠にありがとうございました。

葉田甲太

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