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みなさまこんにちは、あおぞらの新生児科医師、柳です。
クラウドファンディングに寄せて、多大なるご支援を頂き、誠にありがとうございます。
カンボジア訪問から帰って来ました。まだいろいろな感情がいっぱい頭の中を巡っていて、気持ちの整理がついていません。
親に捨てられて行き場のない早産児、病棟がいっぱいで屋外のベッドで点滴を受けている少女、天井が崩落したまま雨が入ってくる診療所の分娩待機室、深夜飲食店の前で立ち続け客からお金をもらえるのをひたすら待っている小さな兄弟・・。様々な現実を見ました。
そんな活動の中で、たくさんの笑顔を見ました。カンボジアでは、目が合うといつもみんなにっこりとほほ笑んでくれます。でもそれは、優しいけれどどこかに寂しさを感じさせる笑顔でした。厳しい現実の中で、諦めの中から生まれた笑顔なのかもしれません。
でも、全く異なる笑顔も見ました。新生児蘇生講習会で見た笑顔です。今回は3つの施設で新生児蘇生講習会を行いました。医師が全くいない僻地の保健センター、田舎の州立総合病院、そして首都の巨大病院、です。それぞれの施設が置かれた状況は全く異なりますが、講習会で受講生たちが見せた笑顔はみな一緒でした。
突き抜けるような、明るい笑顔。純粋な喜びを感じていることが伝わってくる笑顔。
長い内戦の歴史で、カンボジアの人たちは心に深い傷を負っています。荒廃した社会システムの立ち直りは不十分な中、貧富の差は増大し続けるなど、問題は山積みです。でも、そんな中で少しずつ何かが変わっていると感じていたのかもしれません。新生児蘇生を実践して自らのコミュニティの赤ちゃんを救うことができる、何かを変えることが出来るかもしれない、そんな気持ちだったのかもしれません。将来に希望を持てるとき人はこんな笑顔になるんだ、と思いました。
翻って、日本の子供や若者は、こんな笑顔をしているのでしょうか。経済も医療環境もカンボジアに比べてはるかに恵まれていながら、みんなが将来に大きな不安を抱えた現在の日本で、日本の若者はこんな笑顔になれているでしょうか?いや、若者だけではありません。自分こそ、そんな笑顔になれていなかった一人なのかもしれません。日々の閉塞感や息苦しさに搦め捕られて、ひきつった笑いしか出来ていなかったような気がします。
でも、今は違います。この活動に出会い、同じ志を持った仲間に出会い、カンボジアの子供たちに自分が(小さなことだけども)何ができるかを知りました。
「誰か」のために何かできる喜び。蘇生講習会でのみんなの笑顔には負けるかもしれないけれど、きっと自分も前よりはましな笑顔になれているんじゃないかな、と思います。
今回の自分の活動の体験を周りの若い人たちに話していきたいです。コミュニティや他人のために貢献できる喜びを伝えたい。もちろん、みんながカンボジアやアフリカに行く必要はありません。自分のコミュニティやごく身近な周囲の人に対してでも、「誰か」を支える気持を少し持つだけで、こんなにも自分の気持ちが変わるんだということを、若い人たちに伝えていきたいです。
こんな素晴らしい機会を与えてくださった皆様に感謝します。本当にありがとうございました。これからも頑張っていきます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
「誰か」を支える気持を少し持つだけで、こんなにも自分の気持ちが変わる。 柳 貴英 カンボジア僻地の6万人の命を救いたい!安全で安心できる出産を!(葉田甲太 2024/06/05 投稿) - クラウドファンディング READYFOR
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