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ブログ 2024.05.17

赤ちゃんの「生きる力」を後押ししたい 大窪玲子

コンポンチュナン州病院の産科病棟の中を見させてもらっていたとき

 

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産後のお母さんが赤ちゃんと過ごす部屋の中に、そっと小さな赤ちゃんが一人寝ているのが気になりました。

 

私は、医療者ではないので、生まれたての赤ちゃんを見るのは自分の出産入院時ぐらいなので、良く分かりませんでしたが、

 

静かすぎてお人形みたいであることがやはり気になり、

一緒に来ていた医師である葉田甲太さんを呼んで、この赤ちゃんは大丈夫か聞いてみました。

 

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甲太さんが様子を見て、慌てて専門医の嶋岡先生を呼び、二人が赤ちゃんを診る様子を見て、大丈夫ではない、ということを察しました。

 

その子のお母さんを探したら、「赤ちゃんが良く寝ているから、と外にごはんを食べに行った」と隣のベッドのお母さんが教えてくれました。

 

保育器に入っていたり、医療措置が取られているわけでもなく、看護師や助産師が気にかけているわけでもなく、一人で横たわっていた赤ちゃん。

状態が悪いことに誰も気付かず、そっと置かれていることに

そして、それはその病院の日常であることに、大きなショックを受けました。

 

知らせを聞いた小児科医が慌てて処置を始めたそんな中、予定していた研修が始まり、私たちはその場を後にしました。研修が終わって様子を聞くと、もうその赤ちゃんはいませんでした。

 

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医療者ではない私は、人の死というのは身内以外でなかなか近くで感じることはありません。

分娩に関わる医療者は、人がこの世に生まれる瞬間に立ち会うけれど、命が消えていく瞬間も目の当たりにする仕事なのだと、改めて感じました。

 

その赤ちゃんが亡くなってしまった原因は正確にはわかりませんが、お母さんも、家族も、医療者も、私たちもみんなが赤ちゃんが救われることを願っていたのは確かでした。

 

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何をすることが正解だったのかは分かりませんが、

目の前にいる人たちに私たちが出来ることをすることで、生と死の間にいる赤ちゃんの「生きる力」を少しでも後押しをしたいと思い、今回このプロジェクトに参加しています。

 

私には、新生児蘇生法や保健指導の技術は教えられませんが、これまで多くの国際協力プロジェクトの形成や運営をしてきた経験やカンボジア等途上国で生活した経験を活かして、皆さまからの想いとご寄付を、届けられるべきところにきちんと届け、それがより安全で安心な出産に役立つように、責任を持って取り組んでいきます。

 

皆さま、ご協力と応援をありがとうございます。これからも見守って頂けると嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

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