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行動すれば救える命について

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ブログ 2024.05.06

きっかけという小さな種をまくことならできる  助産師 羽生悦子

皆様、初めまして。助産師の羽生悦子です。

はじめに、カンボジア僻地の6万人の命を救いたい!安全で安心できる出産を!- クラウドファンディング READYFORにご支援、ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございます。皆様のあたたかいお気持ちと一緒にカンボジアで活動できることを幸せに思います。



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私は、JICA海外協力隊の助産師隊員として、2022年3月〜2024年3月までコンポンチュナン州病院で産科病棟の助産師と共に、分娩管理の安全性向上、赤ちゃんの蘇生技術向上、観察技術向上を目指して活動してきました。私がカンボジアから日本へ帰国して早いもので一か月半が経ちます。家族や久しぶりに会う友人たちと過ごしながら体も心も休めているところですが、逆ホームシック真っ只中でもあります。ありがたいことに、配属病棟の助産師さん、大家ご家族や親せき、お散歩仲間のおじさんまで「次はいつ来るの?」「今度は何年いるの?」「今年のカンボジアはすごく暑いよ」と頻繁に連絡を下さいます。2年間多くの方に支えられ、何一つ不自由なく本当に楽しい生活を送らせていただいたと改めて感謝しているところです。

病院中でただ一人の日本人ボランティアとして配属された病棟の医師・助産師の皆さんにも温かく迎えていただき、協力もいただきましたが、活動においては葛藤にかられることが多くありました。中でも、日本であれば助けられたであろう赤ちゃんやお母さんが亡くなっていくのを見ることは本当につらく苦しいことでした。それを改善できる知識や技術を知っているにも関わらず、伝えきれない自分の無力さや罪悪感も感じていました。

 

私は病棟の助産師さんと相談しながら、安全な分娩の管理、赤ちゃんの蘇生技術の向上と異常の早期発見を目標にワークショップや勉強会を開催していました。忙しい業務中に時間を作って助産師さんたちは積極的に参加してくれ、私はそんな彼女たちを誇らしく思っていました。

 

何人かの助産師さんは、業務の中で一緒に勉強した知識や技術を活用する姿もあり嬉しくて泣いたことが何度もありました。助産ケアの向上がお母さんや赤ちゃんの安全と健康で幸せな未来に繋がることを心から願っています。

 

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    実際に赤ちゃんの蘇生をしています。赤ちゃんは無事に呼吸できるようになりました

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    繰り返し勉強した赤ちゃんの心拍を観察するモニターを使っています

 

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私の活動の相談役になってくれた助産師のスライ・モイさんです。彼女の協力なしには活動が成り立ちませんでした。

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今、振り返ってみると2年間の活動で、病棟の医療や助産ケアが大きく変わることはありませんでした。でも何かが変わるきっかけにはなれたのではないかと感じています。私には残念ながら何かを大きく変える力はなく申し訳なく思っていますが、助産師さんたちと一緒にきっかけという小さな種をまくことならできるのではないかと考えています。

芽が出て、花が咲く日を信じて小さな活動をこれからも続けていきたいです。

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