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行動すれば救える命について

カンボジア医療支援、水衛生支援プロジェクト

ABOUTカンボジアでの医療支援プロジェクト

カンボジアの僻地に病院を建設し、8000人の命を守りたい!
カンボジア・サンブール保健センター新築支援事業

2017年2月より国際NGOワールド・ビジョンとの共同事業としてカンボジア王国バンティ・ミエンチャイ州サンブール地区において保健センターの新築支援事業を開始しました。

支援事業概要

支援事業名 カンボジア王国サンブール保健センター新築支援事業
支援事業地 バンティ・ミエンチャイ州モンゴル・ボレイ郡サンブール地区
支援事業期間 第1期:2017年2月1日〜2018年1月31日(12ヶ月)
第2期:2018年2月1日〜2018年7月31日(6ヶ月
受益者数 サンブール地区の住民7,947人(1,722世帯)
このうち885人は5歳未満児
支援事業費 15,000,000円
啓発教育費及び地域開発援助事業管理費など18%を含む
内容 第1期:保健センターの新築(1棟)
第2期:雨水タンク(20,000ℓ)1基の支援

国際NGOワールド・ビジョン作成 「カンボジア王国 サンブール保健センター新築支援事業」事業企画書

ISSUEカンボジア医療の課題

以前の保健センター

サンブール地域には古い保健センターがありましたが、老朽化が進み、また機材も壊れていて安全な医療を提供できる状態ではありませんでした。そのため地域の方々は保健センターには足を運ばず、医療費を負担し私立病院を受診している状況が続いていました。

以前の保健センター 以前の保健センター

こんなことも…

サンブール地域では、伝統的産婆と呼ばれる医学的な教育を受けていない助産師さんが立ち会う、危険な出産も一部残っていました。出産時に適切な処置がされず、出産後の母親と、生後まもない赤ちゃんを、約2週間薪でいぶす文化もあるため、常に赤ちゃんは肺炎等の命の危険にさらされていました。

伝統的産婆

赤ちゃんを救う技術と知識の不足

生まれてくる赤ちゃんが呼吸をしていない場合の緊急処置や生後すぐの体調の悪い赤ちゃん評価、対応などに問題がありました。

SOLUTIONお母さん・赤ちゃんを助けるための
病院建設

サンブール保健センター建設

あおぞらと国際NGOワールド・ビジョンとの共同事業として、新サンブール保健センターの建設を行いました。2018年2月に産前産後待機室、小児外来、成人外来などを含む8部屋を完備したサンブール保健センターが開院しました。雨季の洪水対策のため6mの高床式の施設となっています。前述の問題は解決され、地域住民がサンブール保健センターを利用するようになりました。
開院式の記念事業としてカンボジアにおける新生児死亡の25%を占める新生児仮死に対応するため、現地助産師に新生児蘇生法講習を行いました。また日本の各方面からのご協力により新生児蘇生に必要な物品、トレーニングに必要な蘇生法講習用人形などの物品を常備することができました。

新生児蘇生法講習を行った
あおぞらアドバイザリースタッフ嶋岡 鋼からのメッセージ

新生児仮死は出生時に赤ちゃんが息をしていない状態のことです。そのままにしておくと赤ちゃんの状態はどんどん悪くなり、最後にはなくなってしまいます。新生児仮死を適切に判断し、速やかに人工呼吸を行うことでその90%以上を救うことができます。
今回の新生児蘇生法講習はとても手応えのあるもので現地助産師さんの自信にもつながったと感じています。今後、サンブール保健センターで赤ちゃんが救われることを心から望んでいます。

伝統的産婆

新生児を助ける「技術」の指導

開院式の記念事業としてカンボジアにおける新生児死亡の25%を占める新生児仮死に対応するため、現地助産師に新生児蘇生法講習を行いました。また日本の各方面からのご協力により新生児蘇生に必要な物品、トレーニングに必要な蘇生法講習用人形などの物品を常備することができました。

CHANGE病院建設後の変化

2017年2月から7月まで(6ヶ月)

病院の新設、水衛生の整備などの後、6か月間で前年度同時期(2017年2月から7月まで)と比較して外来患者数、分娩数、予防接種者数などが増加しました。また、2018年10月の再訪時には新生児仮死の赤ちゃんが無事蘇生され、その後も元気に暮らしている、という嬉しいお話を聞くことができました。

2018年1月から2019年12月(2年)

2020年1月に現地を訪れ、サンブール保健センターで
2018年から2019年の2年間、どのような医療が提供されたかを
調査してきました。2年間の外来ののべ患者数は約8000人/年で推移しています。
分娩数は月に6〜8件で年間約80人、新生児蘇生を必要としたケースはありません。安全な分娩が行なわれているようです。
産後、すべてのお母さんが保健センターに24時間以上滞在し、お産直後の合併症の管理もできているようでした。
予防接種は種類にもよりますが、概ね対象となる人の100%をカバーしています。

2018年から2019年の2年間、医療が現地で安定して提供されていることがわかりました。
今後もサンブール保健センターでの定期的な現地調査を行ってまいります。

生まれた赤ちゃんの様子

  • 赤ちゃんを亡くして泣いていたお母さんも、新しい病院で無事に次の赤ちゃんを出産する事ができました。

  • 2018年に新しい保健センターで双子の赤ちゃんが生まれました。

  • 新生児蘇生法講習で得た技術で救われた赤ちゃんは今も元気にサンブール地区で暮らしています。

  • みなさんのおかげで継続して安全に新しい命が生まれています。

PROJEECTS水衛生環境改善プロジェクト

サンブール地区の小学校に、子ども
たちが安心して使える手洗い場を!

水は健康の基盤となるもの。生きていく上で欠かせないものである一方で、不衛生な水は下痢や肺炎などの原因となります。

認定NPO法人あおぞらが行ったサンブール地区にある小学校の先生からのヒアリングでは、「水衛生」の問題が多く聞かれました。
水は下痢や肺炎、感染症などの病気から子どもたちを守るはずのものであるにも関わらず、子どもたちが毎日通う小学校で水衛生が保たれていない、ということが一つの課題として挙がっていました。あおぞらが行った現地調査では、サンブール地区にある7つの小学校のうち、6つの小学校では手洗い場がそもそもないか、あっても数が足りていない、との声が聞かれていました。

【事例】Sambour小学校が抱えていた保健衛生の課題

認定NPO法人あおぞらが手洗い場建設支援を行った小学校の一つ、Sambour小学校には、手洗い場がありませんでした。手洗いに使う水は、子どもたちが交代で1日1回、50m離れたため池からバケツで水をくんでいました。

危険の伴う水汲み作業と、濁った水で手を洗わざるをえない環境にいる子どもたち。
そして、2020年から2021年現在も世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。

衛生的ではない水は感染症だけでなく、下痢や肺炎を引き起こす原因となります。水が糞便のバクテリアに汚染されていた場合、石鹸を使って手を洗っても、感染の予防は乏しいとされています。※

政府から保健センターに対して、小学校で手洗い指導を行うように指示が出ているなど、国全体で、衛生に対する意識が高まってきています。
しかし、綺麗でないといけないはずの、手洗いに使う水が汚染されている、という現状がそこにはありました。

そこで、カンボジアのNGO Clear Cambodiaと協働し、2020年7月には、2校目のSambour小学校での手洗い場建設に向けて、クラウドファンディングを実施し、延べ113人のご支援者さまに、総額874000円のご寄付をいただきました。

【手洗い場でコロナを防ぎ、カンボジアの子どもたちの未来を守る!(葉田甲太 2020/07/03 公開) - クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)】

認定NPO法人あおぞらでは、2020年4月から2021年6月にかけて、サンブール地区にある7つの小学校のうち、手洗い場を必要としていた6校、すべての小学校に手洗い場を設置することができました。

また、コロナウイルスの影響で、カンボジアでは政府から保健センターに対して、小学校で手洗い指導を行うように指示が出ているなど、国全体で、衛生に対する意識が高まってきているようです。
サンブール地区でも、保健センターのスタッフが子どもたちに手洗いを正しく行えるよう手洗い講習を行ってくれていました。

認定NPO法人あおぞらでは、引き続き、手洗い場建設を実施した小学校へのモニタリング・継続支援を実施していきます。

サンブール地区の各家庭に浄水器を!

衛生の問題は学校だけではなく、家庭でも起こっているのではないだろうか―。
認定NPO法人あおぞらでは、2021年6月より、あおぞらスペシャルサンクスサポーターである、プロバスケットボール選手 広島ドラゴンフライズ所属(当時、京都ハンナリーズ所属)の寺嶋良選手のご協力を経て、サンブール地区にある40の家庭へ、浄水フィルターの導入支援を行いました。
その後2021年12月までに、法政大学国際付属高等学校のプロジェクトグループ『SmiRing』と共に、クラウドファンディングを実施し、サンブール地区の150の家庭へ浄水フィルターを導入しました。

導入にあたっては、Clear Cambodiaのスタッフが住民や村長に対して、説明会を行いました。
浄水器の使用方法、メンテナンス方法の他にも、ため池や川の水には、バクテリアやウイルス、寄生虫などが含まれていて、それらは病気の原因になりうること、普段からきれいな水と石鹸で手を洗うことやきれいな水飲むことで、病気から私たちの身を守ることが出来る、ということを住民に知ってもらいました。

浄水フィルターを設置した家庭の住民の声

水は健康につながる大切なものだから、浄水器が導入できることはとても嬉しい、本当に感謝しています。

家庭を取り巻く衛生問題

あおぞらでは、2020年12月にサンブール地区の50世帯の住人を対象にアンケート調査を行いました。その結果、のべ半分以上(51パーセント)の住人が1年間に1回以上、下痢に関わる病気になっているとの報告がありました。(ClearCambodia調べ)

ユニセフの世界子供白書2019によると、農村部のカンボジアの家庭で基礎的な衛生習慣設備(敷地内に水および石鹸がある手洗い設備が利用できる)がない割合は40%、最低限の基礎的飲用水サービス(改良された飲用の水源を利用しており、列に並ぶ時間を含め、汲みに行くための往復時間が30分以内である人)がない割合は27%です ※)。

サンブール地区も例外ではなく、普段住人が料理で使用したり、口にする水は、ボトルのミネラルウォーターか、ため池の水や雨水です。飲む際は煮沸をしているようですが、煮沸不足や保管容器が衛生的でないことなどが原因として考えられます。

認定NPO法人あおぞらでは、引き続きフィルターを導入した家庭へのモニタリングと、改善、新たな家庭への浄水器設置の検討も行っていきます。

あなたの寄付が
お母さんと赤ちゃんの涙を止める

あおぞらでは、毎月定額を寄付いただくマンスリーサポーターを募集しています。
生まれてくる赤ちゃんを救い、命がけの出産からお母さんを守るために。
ため池などの水で生活する世帯へ、綺麗な水を届けるために。
いただいたご寄付は、各地の医療・衛生支援や運用費など
「救える命を救う」ために活用させていただきます。